Sweet Pain (ビリグラSS 拍手用SS再録)
拍手お礼用SSの再録です。
これは結構長く…1.5ヶ月くらい掲載していたような……。
つづきから、どうぞです。
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Sweet Pain
彼は出会った頃と変わらずいつも僕を振り回す。
それは些細な我が侭だったり、時には途方もないスケールの無茶な要求だったり。
多岐に渡るオーダーの数々は僕の悩みの種でもあり、その一方でそれらを宝物のように愛した。
それらは彼の望みを何でも叶えてやれるのは僕だけであり、
そして彼が心を傾けるのは僕だけなのだという途方も無い妄想を余すことなく満たしてくれるようであったし、
事実僕は彼の望みを叶えてやることに全力を注いだ。
できないのか、と溜息交じりに表情を曇らせることで彼が挑発して来れば肩をすくめて応じてやったし、
何より見上げてくるグリーンアイズが魔法を目にした子供のように輝かせるのを見たくて、
僕はついつい彼を甘やかしがちだ。
彼へのプレゼントの為だけに、幾度徹夜を重ねたことだろうか。
嗚呼、そして思うんだ、
一秒ごとに彼に堕ちている。
彼を知れば知るほど惹かれて行くのは火を見るより明らかで、
僕はいつまでも頭が上がらず、何年先も骨抜きになっているだろうことは予測済だ。
生き方そのものがサプライズの塊のような彼へのほんの些細な好奇心から始まったそれに、
こんなにまで心を砕くなんて思いも寄らなかった。
彼の生き様を見届けたい、などという程度のものではない。
それよりもっと大きく深く、胸と視床下部を常に刺激する痛みと独占欲に僕はいつまで支配され続けるのか。
彼の笑顔とキス一つ、そしてできればそれ以上のこともあれば、
彼への奉仕労働を少しも厭わない自分にとうとうヤキが回ったかと思う。
しかし蕩けた左脳は僕に現状の直視を拒否させ続け、
同じく、寧ろそれ以上に蕩け切った右脳は欲望に忠実に働いた。
嗚呼、この何とも馬鹿げた状態、僕の有様を何と称する?
幾つになっても、恋は本当に難しい。
END
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……カタギリは…ハムを甘やかし過ぎだよなーと思いながら会社帰りに電車の中で
ぽちぽちと携帯電話のメール機能で打って書いた話でした。
ケータイで書いて、家のPCに送って直す…というのが多いです。
……カタギリは…ハムを甘やかし過ぎだよなーと思いながら会社帰りに電車の中で
ぽちぽちと携帯電話のメール機能で打って書いた話でした。
ケータイで書いて、家のPCに送って直す…というのが多いです。
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