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2024/11/23 20:58 |
flower (ビリグラSS)(R18)

flower / ビリグラ(R18)

ビリさん視点でビリグラ。永遠に囚われたまま。 

つづきから、どうぞです。


******************************




flower








癖のあるブロンドを、常緑を思わせるグリーンアイズをどれ程愛したことか。
その陶器のような肌が冷えた色を纏いながら、灼熱を思わせる激情を隠し持つ様にどれ程傾倒し、慈しみ、庇護したいと思ったことか。
ただの友人と呼ぶには長く共に在り過ぎたし、同僚でも親友でもなく――、
恋人と呼ぶには、僕らはトウが立ち過ぎていた。
一時の激情で、過ちで笑い飛ばせるほどもう若くはなかった。
 
 
若くはない、と思いつつ孤高の存在であるはずの君を胸の下へ敷き、眼下に見下ろすこの優越を手放せなくなっている。
忙しなく喘ぎ、その低く艶めいた声が、甘みを帯びながら掠れ気味に僕の名を呼んでくれることが嬉しくてたまらなかった。
指を絡め繋いだ片手をシーツの海に縫いつけ、下肢の一番深い所まで押し入った所で動きを止める。
焦れて熱に潤んだ瞳を投げかけ、子供のように視線で強請る君をとてつもなく可愛いと思うと同時に、暗い優越感にまた囚われる。
嗚呼まるで、
まるで君は僕がいなければ生きていけない人だと錯覚させる。
君は誰かに縋り誰かを拠り所とするような弱い人じゃないのに。
君が僕に抱くのはそんな信仰染みたものではなく、信頼と信用と、友情と、

 
……愛情も、多少なりとも存在すると……、自惚れても良いのかな。
 
 
空いた手で君の手ごと自慰をさせる。
固く反り返り腹についたそれが濡れそぼり、ねっとりとした細い糸をたらたらと零しては腹を汚していく様子が酷く卑猥で、胸の中がざわついた。
もぅ、お腹も手も胸も全部ぐちゃぐちゃだね、
耳元でそう言ってやると、バカ、と返され睨まれた。
嗚呼、ごめんね。
僕とこんなことをしているくせに潔癖さを捨てきれない君は、言葉で辱められることにまだ抵抗のある、どこか初心な人だった。
でもどうして自分を弄る手には抵抗の意思が欠片も無いのだろうね。
…そんなに良いかい?
後ろを犯されながら前を弄るのは。
仕舞いには僕の声なんか聴こえちゃいないんだろう君は、ただただ自慰に没頭する。
僕を睨んだ強さは甘さに変わり、とろんとした焦点の合わない瞳で、ただひたすらにいいように擦る。
断片的に漏れる吐息に時折高い音が混じり、僕をくわえこんだ下肢が、胸の鼓動と、若しくは集まる血液と呼応しているように、ぎゅう、ぎゅう、と締め付ける。
それに合わせるように、君の良い所にカリを擦り付けてやると、白い肩が大きく身震いした。

 
…嗚呼、まだ駄目だよ。
先にいかないで。

 
自慰の手を強く握りこみ、ホールドしてやると更に焼け付くような視線を寄越されたが構うものか。
僕はね、センチメンタルで潔癖で孤高で、誰よりも綺麗な君に年甲斐も無く恋をし続けている途方も無い阿呆だよ。
セックスのときくらい、君と何から何まで共有したい――、
共有させて欲しいんだ。
 
僕に出来ることと言ったら、僕の作った機体に君を乗せてやり、他の追随を許さぬ程に誰より高く飛ばせ――、
そう、僕はいつも、そうして君を地上から見守る事しかできない、
だから―――。
 
 
低く掠れた声で名を呼ばれる。
…嗚呼、どうしたの。
そう、もう限界なのかい。
じゃあ、一緒にいこうか。
高いところまで。
 
 
薄く開いた口から熟れた肉が覗くと、僕は貪るようにそれを吸い、絡め取った。
 
唇を繋ぎ、舌を繋ぎ、手指を繋ぎ、下肢を繋げる。
粘膜も外気に触れた部分も余すことなく繋げて一つになる。
このままドロドロに溶けて一つになってしまえたら良い、と君とセックスをし始めた遠い昔に思ったことを、今再び思う。
 
嗚呼、君がいなければ生きていけないのは、きっと僕の方だ。
君がいなければきっと、息をすることもできない。
 
思うまま弄らせていた前から温かい液体がどっと溢れると、君の体が一瞬にして弛緩する。
それと同時に僕も熱く熟れた君の中、一番奥深い所めがけて、かけた。
二度三度腰を揺すってやると、きゅう、と更に引き絞られる感覚に息をつめ、僕の喉奥がくぐもった声を上げた。
唇を離し、こめかみに押し当ててやると、閉じていた常緑が露になって僕を捕らえる。
前を弄る手に再び力を込め、搾り取るようにしてやると、バカ、痛い、と咎める気の無い甘い甘い声音と、ほぅ、と弛緩に零れ出た吐息。


 
「…ビ、リー……」


 
嗚呼、笑った。
滅多に呼ばない僕のファーストネームを口にするとき、それは君の心が僕と出会った昔に戻っているときだ。
軍のことも出世のことも、MSも技術開発も何も考えず、ただただ飽くことなく共にいたいと、そればかりを考え過ごしていたあの頃。
この声が聴けるなら、この安堵した笑顔が見れるなら、何だってしてあげたいと心から思う。
気持ちの良いことも口に出すのも憚られる卑猥なことも、君が欲しいと言えず嫌がる素振り見せることも、何でも与えてあげる。
そしてその一方で、エースパイロットを胸下へ敷き、技術顧問である僕に何もかも委ね、身も世も無くよがり喘ぐ様を、その媚態を心行くまで眺める暗い優越感も、きっともう……手放せない。
 
 
若くはないと思いつつ、一年ごとに先延ばしにしてここまでやってきた。
いつか腹をくくる日が来るのかもしれない。
もしかしたら君に政略結婚の話でも来るかもしれない。
僕にだって、見合い話の一つでも来るのかもしれない。
勿論全身全霊で断るけれども。
 
 
僕らの行く道に迷いはある。
でも迷ったままで答えが出せないままでいるのはきっと僕らの、否、僕だけの弱さで。
また、一緒に考えようか。

10年先、もっと先のことを。
宙を二人で見上げながら。
 

ねぇ、グラハム。
 
 
 
 
 
思う様抱き締めれば、君は花のように笑った。
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
  
END
 
 
 
*********************************
1話を見た後くらいかな…初めて書いたビリグラでした。
漫画のネタメモのつもりがSSもどきに。ビリー視点で独白。
とにかく年甲斐も無くグラが大好きなビリさん。両思いだけど勝ち目の無い恋をしているのです。
 


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2007/11/08 21:38 | Comments(0) | TrackBack() | ビリグラSS

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