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2024/11/24 02:53 |
Promise (1) (ビリグラSS) (R15?)

Promise  (1)      (ビリグラ R15?)




何やら曖昧な位置づけで申し訳ありません。
そういう描写は無いのですが全く無いとも言えず…。

カタギリ視点です。二回に分けてのUPです。

つづきから、どうぞです。


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Promise  (1)   











 
僕が彼と関係を持ち始めてから二度目の冬が来た。


春夏秋冬の巡りを二度、
365日を二周期、
24時間×365日×2、
まぁ切りがないのでこの辺で止めておくが、つまり僕らはそれ相応の時間、途方も無い時間をだらだらと過ごしてしまっていた。
職場で顔を合わせ、彼の休暇と勤務日程を把握し、且つ彼の気まぐれに付き合ってセックスすること約二年。続いたのは元々気の置けない付き合いの友人だったからだろう。
セックスをしてから親しくなったような気がしないでもないのだけれど、今は言及するのは止めようか。
だがこの二年というのは普通にごく一般的な解釈を加えるならば、分別のある男女が貴方と添い遂げましょうか、とけじめをつけるのに頃合いの時期ではないだろうか。
その証拠に、いわゆる恋心というものは統計的にもって二年が限度で、それは他人に対する興味や好奇心、新鮮味等が薄れて日常化していくのにそれだけの期間がかかるのだという。
ようは二年の間に色々と決めるのが良いのだそうだ。
心理学的にも統計学的に見た結果はそれを後押しするようにはっきりと数値を示しているのだとか。
そしてそれを過ぎれば自然と甘い日々は崩れて壊れて行くのだそうな。
 
 

たかが二年、
されど二年、

 

長くもありそして短くもあった。
僕らは性癖的には決してマイノリティな方なのではなく、
グラハムはその期間の長短に関わらず出会ってきた女性を丁寧に深く深く愛してきたようだし、
僕はといえば真面目にも不真面目にもそれなりに楽しんできた。
(不真面目というのはグラハムが僕に下した評であって、僕自身は一晩で終わった数多の恋を決して手慰みにしたわけではない)
それなのにどういうわけだか始まった関係はサプライズとしか言いようが無かった。
しかし、マイノリティな関係であることはこの際置いておくとして、世間一般的に言えば僕らもそろそろ潮時というやつなのだろう。
この関係を恋心が働きかけているのであれば、統計通りに決別していなければならないし、どう贔屓的に見ても僕らが男女のように添い遂げるなんてこと、できっこないのは解り切っていたので。



自分の保身で言うわけではないのだけれど、僕らの何とも馬鹿げた関係は、彼が数々の分岐点ごとにジャッジを下しては僕を力強く引き込み、或いはひ弱な僕の背を蹴り飛ばすように押すことで始まった。
そもそも誘いをかけて来たのは彼であり、そしてそれに乗ったのは僕、その認識は間違ってはいないはずだ。
極めて魅力的なブロンドと意志の強いグリーンアイズに誘われ絆され、ついつい誠意を持って彼のまだ誰の侵入も許していなかった箇所に触れ、まぁ有体に言えば初めてをいただくという大変名誉ある役をおおせつかったわけだ。
……まぁ、僕も男は初めてだけど。
 

元々相性が良かったのか、互いに同性相手はビギナーであるが故の一種の気楽さと、たゆまぬ努力の結果なのかただれた愛欲生活は二年も続いてしまって、それは僕が遠い昔にステディと過ごした最長記録を大幅に更新していた。
セックスの度に反応が顕著で解り易く、痛みと嫌悪を感じる箇所をはっきりと訴え、好い箇所を掠める僕の指先を捕らえて自分に好いように弄る彼は、いつものストイックさをあっさりと捨て去り、呆気に取られるほど快楽に貪欲でいやらしくて可愛らしい。
そしてその手法は回を重ねるごとに彼の好い所を僕に反復学習させ、今では僕は目を閉じていても彼の好む場所を指と唇で辿って熱くさせてやることも、反対に焦らせて泣かせて懇願させることも出来た。
まさかそこまで彼が計算しているとは思えないのだが、受身であるが故にかなりの負担を強いられるだろう彼が気持ち良くなってくれるのであれば大変喜ばしいことだ。

彼は不思議なことに、雄々しく僕を押し倒しておきながら最後の最後で躊躇するという恥じらいを持ち合わせていた。
押し倒されベッドに仰向けにされながら、僕をゆっくりと跨いで来る白い腿の艶かしさに思わず舐め回すように見つめてごくりと喉を鳴らせては期待に打ち震えるのだけれども、腰が降りてくるのにまたたっぷりと時間がかかる。
僕の肘と胸に手をついて不敵に微笑んで場所を調整し、僕のアレを支えながらも腰を落とす恐怖に震える瞳が酷く扇情的で、戸惑う彼に有無を言わせず無理矢理ねじ込んだのも数え切れないほどで。
リードしたがるくせに恥じらいと恐怖が残って、それでも僕に完全に委ねることはプライドが許さず、どうにも動けない可愛らしい彼を宥めすかし、虐めてやるのは最高に楽しかった。
 
 
 
まぁ、早い話が僕は彼に、骨抜きになっていたわけで。
セックス抜きにしても触れるごとに様々な表情を見せ付けられては、流石の僕も狂うわけで。
だから二年を経過してもあわよくば、と取り合えずの現状維持を望む卑しい考えの下、関係を止めようともこのまま続けようとも言い出せずにいるわけで。
友人として、同僚として尊敬しているのとは全く異なる次元で、正直僕は彼に参っていたのだ。
 
 
 
昨夜も可愛かったなぁ、と溜息をつきながら傍らでまどろむ彼を健康的で健全な朝の光の中で眺め、反芻するのも僕の中でお決まりの朝の過ごし方になりつつあった。
長年付き合ってきた朝の生理現象を下肢に感じつつそれには見ない振りをして、僕は隣でまどろむ彼の寝顔を誰に邪魔されることも無くじっくりと観賞する。
それは僕の腕の中だったり下肢を密着させた際どい状態だったり、彼が冷える足先を僕の閉じた脚、ふくらはぎの間に挟み入れているという何とも微笑ましい状態だったりと諸々ではあったけど、幼い寝顔はいつでも僕の肩先に、胸元にあった。
ほんの少し顔を傾ければ額にそっと唇を押し当てることもできるし、むずがるように僕から逃れる彼を心行くまで眺められる。この特権にどうして浸らないでいられようか。
 
 
 
休暇の朝のグラハムはホリデー中の子供のように非常に寝汚なくなる。
日頃の訓練を、そして昨夜の僕らのじゃれ合いを思えば疲労困憊も解るけど、いつまでも僕のベッドを占領し続けるエーカー中尉というのも如何なものだろうか。
寝坊をすると体のリズムが崩れる、と零す彼は少なくとも9時までには起こせと僕に言い渡している。
それは同時にあまり無茶をさせるなという苦言なのだが僕はそんなこと知ったこっちゃないので、朝9時には起こしてやる替りに夜は彼を貪ることに夢中だった。
 
 
 
……だってしょうがないじゃないか、こんなに可愛いんだから。
 
 
 
頭の悪いことを相変わらず考えながら、僕は今朝も彼を眺める。
いつもの定位置、右耳と右肩を枕に付けた彼は、向かい合わせに眠る僕の胸元に鼻先を押し付けて規則正しい寝息を続ける。鼻息が僕の裸の胸をくすぐり、時折口から漏れる赤ちゃんみたいな寝言だか寝息だか判別不能な音声が僕の頬を一層緩ませた。
抱き締めてやりたい衝動を抑え、せめてもの手慰みにとブロンドを一房掬い、僅かに癖のついた先をねじっては弄んでやる。毛先に唇を落とせば、僅かに引っ張られた痛みにうぅ、と彼が呻いた。
抱き締めたら最後、歯止めが効かないのは解り切っていたし、事に及んで彼の機嫌を損ねるのも休暇の朝に無粋だ。残念だけどまた今夜にでも取っておこうか。
 
 
 
 
 
 
 



 





 

NEXT



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つづきます。













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2008/01/14 11:29 | Comments(0) | TrackBack() | ビリグラSS

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