Give me sweets (1) (ビリグラ R18)
……すいません(としか言えない)。
2回に分けてのUPです。R18です。致しております。すいません(としか言えない)。
我慢弱く落ち着きの無い感じで。
つづきから、どうぞです。
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Give me sweets (1)
いつも彼を大事にしたいと思う気持ちが僕を突き動かしていて、それは公私共にそうなのだろう。
寧ろ、大事云々の前に僕は際限無く彼を甘やかすのが好きなようだ。
僕らはそれ程甘やかな間柄ではないのだけれども、大切にそろそろと抱いて内にも外にも傷などつけぬよう、真綿でそっと包み込むように彼を愛してきた。そっとそっと、優しく。
だがそれに首を振って否と訴え、もっともっとと子供のようにせがむのが彼で。
もっと、もっとと、
彼は甘いお菓子を強請る子供のように、僕を煽った。
部屋にさえ雪崩れ込んでしまえば互いに火が点くのは一瞬で、だが幾度となく繰り返したこの行為もそれなりの年月を経てしまえば慣れが生じてどうにも新鮮味に欠けるはずだった。
しかしどうしたことか今この瞬間も飽くことは無く、いつまでも彼を抱きしめていたいという極めておめでたい思考が僕を支配していた。そして今後も当分続くだろうことは想像に難くない。
扉を閉めた時点で互いに脱がせ合い、ベッドを目指しながら一糸纏わぬ姿になりシーツの上で戯れる。
きっとエントランスからここまでは、点々と二人の衣服が落ちているだろう。
明日の朝(昼過ぎかもしれないし夕方に雪崩れ込むかもしれない)、それを一つ一つ拾い上げてはグラハムに着せてやらねばならない手間を考えたが、毎度都合の良いように学習を放棄する僕らは目先の欲望の前に簡単に脱ぎ出す。
セックスのときくらい明日のことまで考えていたくない。それが本音だ。
それも明日は数日振りの偶然で二人とも夜勤だ。
揃って存分に朝寝が出来ると知って、グラハムは君の部屋で寝たい、と二重の意味で持ちかけて来た。しかも廊下ですれ違いざまに、まぁ結構簡単なもんだ。
僕らにとってのセックスは、夢見るような愛の交歓というよりも一種のコミュニケーションで、子供のように笑いながらじゃれ合うときもあれば、濃厚に絡み合って底無しの欲をぶつけ合う夜もあった。
今夜はどちらだろうか。
ふとそんなことを思いながら、仰のいてシーツに身を沈める眼前のグラハムを見る。
彼は枕の下に右手を差し入れて、つかんだ端にそっと噛み付いてみせながら蠱惑的な笑みを寄越して来た。
「……カタギリ、しないのか?」
「まさか」
手を差し伸べられ、引き寄せられてそのまま眼鏡を剥ぎ取られ、枕元に捨てられる。
おいおい、乱暴にしてくれるなよと漏らしたが、彼はどこ吹く風で僕の髪を弄んでは顎に噛み付いて来る。
彼は少々噛み癖があって、ごく最初の頃はよく肩やら鎖骨やらに噛み付かれて大仰な歯形を残されたものだったが、最近はそれも少なくなった。
これが成長、学習と言うべきものなのか、それとも明けのシャワーが染みる僕への心遣いか、ただの気まぐれなのか。
だが交わしたキスで濡れた唇が笑むと一層淫らになることと、その癖見上げてくるグリーンアイズがどこか無垢なこと、それは昔から変わらなかった。
それもそれでまた罪悪感に苛まれるがそれも彼の手の内だと解っている、が、それでも嵌る。
僕より年若い彼は、4年の年齢差を割り引いてもかなり童顔で幼く見えた。
童顔だから、ということもあるし僕自身どこか疚しさを常に胸に秘めているので、殊更そう感じるのかも知れない。
嗚呼そうだ、子供に悪戯をしている気分になるのだ。
それもとびきり性的なやつだ。
だってセックスだもの。
お互い合意の上で始まった関係だけれども、疚しくもなるわけだ。
そっと胸の飾りを指の腹で押し潰してやれば、しなやかな肌が粟立った。
寒いかい?と問えば、すぐに熱くしてくれるんだろう?とこれまたセオリー通りの回答が。
昼は淑女で夜は娼婦が男の理想とはよく言ったものだけれども、参ったな、そんなもの彼の前では問題にならないじゃないか。
見た目は子供で中身は淫らだったり無垢だったり。
それでいて我がMSWADのエースパイロット様だ。
彼は本当に幾つもの顔をその美貌の下に隠している。
ローションを絡めた指をゆっくりと突き立てて、柔肉を少しずつ押し開く。
投げ出された両の脚が僅かに震え、足指がぎゅっとシーツをつかんで衝撃に耐える様に少し心が痛んだ。
……もう、本当に、ごめんね、と胸の内でそっと呟くが、彼は決まって早く早くとせがむ。
まだ駄目だよ、もっと慣らさないとと時間をかけようとする僕に、グラハムは急くように足を伸ばして僕の腰に絡めて来た。
はやく、はやくとその足指がつい、と腰をなぞり誘いをかける。
……こらこら、駄目だよそんなことしたって。
いつだったか、僕の下腹部の最も際どい箇所にまで爪先が伸びて、親指でちょんと弾かれたこともあった。
それら直接攻撃に、冷えたはずの僕の背中の汗が再び熱を持つようになるのも時間の問題だが、彼の内が充分解れるまで待たねばならない。
どういう拷問なのかな、これは。
焦らしてるんじゃない、君が怪我をしないように大切にしているというのに。
しどけなく開かれた脚を更にぐいと左右に割り開き、その間に深く身を置く。
後孔で指を出し入れしながらそっと視線を前方へ送れば、切なげな視線を燻らせ、籠もる熱に戸惑う子供がいた。
強請ったお菓子を与えられ、口に含んだ夢のような甘さに恍惚としつつも手に入れた途端に淡く消えてしまう、その事実を前に戸惑うような。
はやく、はやく、ほしい、ほしい、と強請るくせに。
一瞬で消えてしまう快楽に深く取り込まれ、淡く消え行くそれに怯えて戸惑う姿はいっそ哀れだ。
ゆっくりと中指を曲げれば、あぅ、とくぐもった声が耳に届く。
彼が枕の端を口に当て、時折噛み締めている。眉根に皺を寄せ、きつく瞳を閉じている姿は痛みを堪えているようだが、同時に背筋を駆け昇る甘い痺れをもやり過ごしているのだろう。
彼の中心で息づくものは充分に立ち上がり、じわりと涙が零れていて、それで嗚呼、射精を堪えているのだと気付いた。
……まだだよ、まだまだ。
まだ、あげないよ。
NEXT
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続きます。